概要
ひょんなことから、今年のゴールデンウィークの8日間を栃木県那須塩原市のペンションひみつ基地のお手伝いを住み込みですることになったので、そこで得た学びを書こうと思います。
やったこと(業務内容)
お手伝いとはいえ、学びを得ることが目的だったので、分業化されている(であろう)大規模リゾートホテルではなく、個人経営の小規模ペンションに的を絞りました。
ですので、業務内容としては、ペンションの現場レベルの仕事は、ほぼ全て体験しました。
具体的には下記の通りです。
- テーブル設営
- 朝食の調理、配膳、皿洗い
- ベッドや部屋の清掃
- ベッドメイキング
- 風呂場、洗面所、トイレ清掃
- 掃除機、窓拭き
- 夕食の調理、配膳、皿洗い
文面で見ると大したことなさそうですが、限られた人的リソースで、短時間で行わなければならないのと、ハイシーズン時の20人前後のお客様が襲来したときは死ねます。
ハードモードの縛りプレイ状態です。
むしろ、全員野球で取り組まなければ成り立たないと思いました。
8日間で得られた学び
自営業のことを学べた
ペンションひみつ基地は、基本的に夫婦2人で経営しており、ハイシーズン時に、パートさんや住み込みアルバイトさんを雇い、経営しています。
逆にオフシーズンの平日などは、比較的のんびりされているようでした。そのため、収支や労働の負荷の浮き沈みが激しく、究極のメリハリだと感じました。
また、自分の中で自営業のイメージは、従業員100人以上を雇い、売り上げも数十億を目指すのが自営業(というか起業)のイメージだったのですが、大きく稼げはしないが、夫婦二人としては余裕で暮らすことができ、仕事以外の時間も楽しめる形があるのだと学びました。
自分の人生の選択肢や考え方が一つ増えたことは大きな学びだと感じました。
那須の自然が豊かなところや、土地柄なのか、時間がゆっくりしており、このような働き方もあるのだと学びました。
あとは、自営業とはいえ、ペンション業界で生き抜くための戦略が感じられました。
ペンションひみつ基地は囲炉裏タイムと呼ばれる宿泊者同士のコミュニケーションの場を設けていたり、
めちゃくちゃ可愛い看板猫(現在は4匹)がいたり、ニジマス釣(リアルにキャッチアンドイート)りや露天風呂で日本酒が楽しめたりするなど*1、単純に宿泊するだけではなく、宿泊者に非日常感を味わせる仕組みを設けていると感じました。
8日間を通して、リピーターの方が一定数いたことや、宿泊予約サイトの管理画面で上位に位置付けていることを見た時は納得感がありました。
初心に帰った
今回は、異業種の仕事に対して、未経験者が一から全てを学びにいくので、完全に新人状態からスタートすることになります。 ウチの会社では勤続年数が比較的長いことや、メンバーに指導する立場にいるので、新人の感覚に戻れたのはとても新鮮でした。
まず、異業種の仕事をするので、単純に知的好奇心が満たされました。
単調な作業の繰り返しといえば繰り返しなのですが、
- 前回の作業時間より1秒でも短くするためには、どのように動いたら効率的なのか
- 次の作業を考えた時に、今やるべき作業は何か
- 上司は何を考えて自分に作業指示を出しているのか
- 上司のスキルを盗み、自分の行動に反映させ、成長を高速化させる
などなど、新人の頃に重点的に心がけていたことを、今やり直すことで、今の会社で(少なからず)奢っていた自分を恥じ、反省する機会になりました。
これらの作業中に、守破離はだいぶ意識しました。
まずは、ベーシックな作業内容を覚え、体に染み込ませ、
次に、ベーシックな作業内容をいかに改善できるかを考え、
最後に自分のやり方を編み出す。といった感じです。
特に、夕食の片付けにおいては、自分の作業領域を完全に作り出し*2、クローズまでの時間を最短にすべく、最速で動くことができました。
他には、最初の1,2日感の緊張感はすごかったです。
その緊張感とは、上司に「こいつ使えねぇな」と思われたら終わりだ という緊張感です。
当たり前ですが、初日から全力で取り組み、短期間で上司に対する信頼貯金をいかに増やすかを考えて行動しました。
心地よい緊張感で仕事に取り組めたのはよかったです。
信頼残高を積み上げていき、信頼されるまでを短期間で感じ取れたので、仕事の醍醐味の一つを味わえてとても楽しかったです。
異業種の仕事内容に触れることができた
単純に、宿泊業で働くのは初めての体験だったので、何もかもが新鮮で楽しく学び、仕事をすることができました。
特に、宿泊者がチェックアウトした後の清掃はとても興味深かったです。
というのも、普段、自分がホテルなどに泊まるとき、いつも、生活感がなく清潔な部屋だなぁ〜と感じるのですが、それを演出する側に回れたからです。
数時間前までに人が存在したことを感じさせないように、ベッドを整えるのは、だいぶ神経を使う作業であり疲れはするのですが、宿泊施設の提供者としての体験ができたので、とても貴重な時間でした。
また、戦術した生存戦略を実行していく中で、
自分達のサービスが目に見えるお客様に対して直接ぶつけることになるので、お客様のリアルな反応をリアルタイムで感じることができ、
一つの成功や失敗のヒリヒリ感はWebサービスとは全く異なる体験でした。
配膳などの小さな作業*3でも、全てお客様の事を考えぬいて配置/提供されていたので衝撃を受けました。
その他感じたこと
仕事
8日間、住み込みだったんですが、お客様の朝食を作ることから始まり、夕食の片付けで終わるので、1日の生活にリズム感があり体調崩すことなく終えることができたのは良かったです。
ただ、単調といえば単調だった仕事なので、おもしろくないと感じる人は一定数いるのではないかと思います。
でも、自分としては、単調な仕事でも前回の作業より1秒でも早く終わらせたり、効率化について考えたりするので、楽しく仕事をすることができました。
猫
猫様が4匹おり、当初大丈夫かなと心配してたんですが、すごく癒しなりました。むしろ、飼おうか検討しているレベルです。夜寝てる時に毎晩お腹の上に乗って来る猫がいたんですが、懐かれたな〜という感覚が嬉しかったです。
温泉
温泉ペンションなので、蛇口をひねると温泉が出て来ます。
硫黄の温泉なので、温泉に入っている感(?)がすごくありました。また、毎晩広い風呂に入れるのは、温泉/銭湯好きのオレとしては最高でした。
(水風呂は欲しかったが・・・・ッ!!)
避暑地 那須
避暑地として有名な那須にペンションがあるのですが、日に日に木々が青くなってきたり、川のせせらぎが聞こえるので、心がリフレッシュされる感覚がありました。
何もないことの贅沢感がありました。(普段東京にいるからかも?)
筋肉痛
8日間、全力で働いたら筋肉痛になりました。
立ち仕事が多いので、脚はもちろん、窓拭きで肩周りや腕周りも筋肉痛になりました。
3日目あたりに調子に乗って筋トレしたのは失敗でした。。
ジムでは鍛えることができていないなぁ〜と思ったのと、実用的な筋肉もつけなきゃなぁと感じました。
みんな良い人
ペンションで働いている人は全員良い人でした。
オーナー夫婦はもちろん、パートできてる方まで、とても優しく、仕事ができる人だなぁと感じました。
自分は、心理的安全性が確保されている環境ではないと、パフォーマンスを発揮できないのと、その安全性は一緒に働く人によって左右されることを経験から学んでいます。
繰り返しになりますが、一緒に働く人が親切で優しかったのと、教えるのがうまかったので、自分の仕事がうまくいったんだと思います。
また、パートの方には、出会って1時間で潔癖症だとバレました。何か行動するたびに、めっちゃ手洗うので、それを見られていました。。
あと、ストイックな食生活を話してしまったので、完全に変な人だと思われただろうなと感じてます。パーフェクト食生活をしているだけで変な人ではないことは強調しておきます!
まとめ
スポットで、ですが、異業種で働くことで、さまざまなことを学ぶことができました。
- 人生における仕事観に少なからず影響があった
- 初心に帰ることができた
- 異業種の仕事がどんなものか知れた
また、那須の自然に触れられたことや、本職での仕事の疲労感とは全くことなる疲労感は、とても心地よかったです。
いつものゴールデンウィークはゴロゴロして終わってしまうのですが、今回は何かから学びを得ようと試みたゴールデンウィークであり、
その収穫の多さからとても充実感がありました。
普通の生活をしていたら個人経営のペンションで働くことはありえないと思うので、人生の中でも思い出に残るのではないかと思っています。
あぁ〜楽しかった!