概要
最近、自分は、なぜ、怒りを感じるんだ?ってことを考える機会がありました。
そして、その自分の怒りを自分でコントロールすることが苦手であることに気付き、感情コントロールができないと人を動かす立場として相応しくないと考えました。
これは、仕事に関わらず、人生の中でも重要なことであると感じたため、怒りをコントロールする必要性があると思い至りました。
そんなときに、職場の「この人は人格者だなぁ〜」と思う人と会話をしているときに、アンガーマネジメントというワードを聞き、怒りにもマネジメントする手法がある事を知ったので、学ぶ事にしました。
今回は、アンガーマネジメント入門を読んだので、その感想を書こうと思います。
怒りの発生原因と仕組みを知る
怒りのステップは下記の通りであると書かれています。
- 事象が発生
- 経験や価値観に基づく意味付け
- 怒りの発生
ここで重要になってくるのは、ステップ2の「経験や価値観に基づく意味付け」だと思いました。
というのも、同じ事象であっても怒りを感じる人と感じない人がいるという事実と、
それは、当の本人の価値観により、左右されるのだと知りました。
つまり、怒ってるのは自分の価値観に照らし合わせた結果であるだけで、一般的に考えた時や、相手の価値観で考えた時は、必ずしも怒りが発生するとは限らないと考えました。
そのため、対人コミュニケーションをする上では、怒る前にまず
- 相手はなぜ、そう考えているのか
- そう考えるようになった背景は何か
を考える必要があると学びがありました。
怒るという行動は選択できる
瞬間湯沸かし器といわれるような人間でも、人は「怒るという行動をするのに、自ら選択して怒っている」ということを知りました。 先述の怒りという仕組みとステップから得た考察の他には下記の観点があることを学びました。
- 怒った場合の結果がどうなるのか
- それはどういえ影響があるのか
- 好影響か悪影響か
漠然と「怒り」について考えると、感情に支配されているので、コントロールが不能のように思えるのですが、アンガーマネジメントは極めて論理的であることがわかりました。
そのため、感情という右脳で管理するシステムを左脳で管理することができるので、一筋の光が差した感覚を覚えました。*1
また、対人コミュニケーション上の怒りについて、大抵の場合は怒った結果が良いように転ぶケースは、少ないのではないかと思いました。
全く怒らないというわけではないとは思いますが、怒った場合のメリットデメリットを考えるというステップを踏むことで、結果的に怒りを管理することができると学びを得ました。
怒りを管理するための、行動の矯正と認識の矯正
とはいえ、心構えと怒りの論理構造を知っただけで怒りを管理するのは難しいです。 なので、怒りという行動を管理するために矯正方法も学ばなければなりません。
本書では、
- 怒りのままに行動をしないための行動矯正
- 頭を怒りにくくするための認識矯正
という大きな二軸を紹介しています。
行動矯正
まずは、先述した通り、怒りは発生するとはいえ、知らず識らずのうちに意思決定していること、考えることや、
怒りが発生しそうになったときの抑制方法についても書かれています。(たとえば、6秒間、思考停止させてみるとか。)
そのほかに、怒りを伝えるとしても、伝え方が重要であることが書かれてました。 何も考えずに相手をこき下ろしたり、罵倒するような伝え方もできるし、相手に尊敬の念を持ち、背景や状況を考えながら、自分の気持ちを伝えることは大きく違います。当たり前ではありますが、自分はこれができていないので反省し、学んで活かさなければならないと感じました。
どちらかというと、怒りが発生した瞬間の抑制方法であるため、短期的というか、怒りにくくするためのテクニックのような感じですね。
認識の矯正
認識の矯正は、過去の出来事により形成された価値観を修正していかなければならないので、一筋縄にはいきません。しかし、日々の訓練を重ねていけば、完全に矯正させることはないとしても、少なからず、好転する可能性があります。だとしたら、この訓練をやらないという選択は、自分にはできないので、訓練を行うことにしました。
また、これは行動の矯正と違い、思想とか価値観の部分の矯正なので、長期的な行いになります。
その矯正は具体的には可視化と記録をつけることです。
- 日時
- 出来事
- 思ったこと
- 感情
- 感情の強さを10段階で表現
- 怒りを感じてとった行動
- その結果
そして、この記録をしばらくしてから、振り返ることで、客観的な視点で、自分の怒りを知ることができます。 そこから得た学びを深めていくといった感じで、少しずつ認識を矯正していきます。
また、自分が怒るパターンの認識することも重要だと書いてありました。
自分の怒りのパターンは下記のように事象を認識してしまった時です。*2
- バカにされた時
- 見下された時
- 思い通りにいかなかった時
思い返すと、どの怒りも↑これに当てはまると振り返りました。 バカにされることや、見下されることは少ないのですが、思い通りにいかなかった時の怒りは、すごく多いです。 逆に、怒りのパターンは、ほぼこれだと絞り込めたので、改善の一手で打ちやすいと感じました。*3
また、これらは具体的な行動について書かれているのですが、
「なりたい自分」をイメージすることが、前提としてあります。
なりたい自分イメージとしては、ざっくりですが、
のイメージです。 この二人って、怒りをぶちまけたり、正論の暴力で青年をタコ殴りにしたりしてないですよね。 そして、このような人格を持つ人間に自分はなりたいと強く感じるので、これをイメージして今後生きていきたいと思いました。本当にありがとうございました。
また、具体的な人間のイメージとしては、冒頭でも書いたアンガーマネジメントを知るきっかけになる会話をしていた社内の方です。 この方の寛容さは尊敬するレベルなので、まずは、この方になるイメージです。
まとめ
アンガーマネジメント入門では、怒り概要を仕組みとステップにわけて書かれています。 感情とはいえ実は論理的に考えていることや、それを分解して論述されているため、とても納得感がありました。 また、コントロールも不可能ではないという手応えを掴めたのは良かったです。
怒りをコントロールするための具体的な手法についても、行動の矯正と認識の矯正という、 短期的/長期的に分けて実行することができる手法も書かれていたので、訓練を積み重ねることで、次第にうまくなることができると学びました。
怒りという感情はしっかりマネジメントでき、訓練により後天的に伸ばせることを知れたのはとても大きかったです。
あとはやるだけだ!