概要
20歳を過ぎた日本人(箸で食事をする)で箸の持ち方が汚い人が、下記の段階に到達するための矯正法を公開します。
- 周りから、箸の持ち方が綺麗だと言われる。
- 小皿Aに入った乾燥小豆を小皿Bに容易に移せる。そして、素早く。
まえがき
私は、20歳になるまで、箸の持ち方について、教育を受けてきませんでした。
正確に言うと、両親は私に指導を試みてくれましたが、私がそれを拒否しました。
また、箸の持ち方を学校では教育してくれた記憶がありません。
自己流の箸の持ち方で人生の大半を過ごしてきていたある日、新卒で入った社長からこんなことを言われました。
「お前みたいな汚い箸の持ち方のやつは、営業先に絶対に連れて行かない」
当時、箸の持ち方が人と違うことは認識していましたが、自分が満足に食事ができているので、矯正する必要はないと思っていました。 しかし、その社長の一言をうけ、他者が自分の箸の持ち方を見て、なんらかの評価を下す場合があり、それが少なからずネガティブな評価であることに気づきました。
それがハタチハシノモチカタの始まりです。
箸の持ち方を矯正した後の感想としては、箸の持ち方の原理さえ理解してしまえば、習得は容易です。 持ち方を直すのに原理さえ理解してしまえば、基本的には実践するのみで矯正できます。 実践とは、通常の食事を箸で食べるだけです。日本人であれば普通ですよね。
ただし、食べ物の中でも箸で食べることに対して、難易度が異なります。
固形物、乾燥小豆、豆腐/麺類、魚を、箸で食べる場合、難易度の低い食べ物から順番に食べ方を学ぶ必要があり、簡単なものからクリアしていくことが、矯正への近道です。
また、これらの食べ物について、それぞれ食べ方のコツと練習方法が存在します。
矯正方法
原理を学ぶ
基本的には、支点、力点、作用点が理解できていれば十分です。 作用点は「箸で食べ物を挟む」ことだとして、支点、力点はどの指のどこで支えるか / 力を入れるかさえわかれば容易に食べ物を挟むことができます。
そして、これらを学ぶためのアイテムがこれです。
いきなり課金アイテムですが、箸の持ち方を矯正するための箸です。
使うとわかりますですが、これを使うと、正しい箸の持ち方以外の持ち方ができなくなります。
その上で、どの指のどこを使うのかを覚えればすぐに矯正することができるでしょう。
持ち方の原理を理解することが最初の一歩であり、それが全てです。
その原理を頭ではなく、身体に覚えさせることができるのがこの箸です。
矯正前のレベルにもよりますが、早い人だと1回の食事でこれを使っただけで、十分なレベルかもしれません。
固形物、乾燥小豆、豆腐/麺類、魚の食べ方
これらの食べ物は、自分が本当に矯正されているのか?を測るための指標となります。 魚を箸で綺麗に食べることができたら、矯正は完全に終わったと言えるでしょう。
固形物
例) ごはん、角切りにされた人参など。
もっとも簡単です。エジソンの箸で原理が理解できていれば、難なく挟むことができるでしょう。
逆に、うまく食べることができないようならエジソンの箸を使い続ける必要があります。
数日間エジソンの箸を使い続けると自然と普通の箸でも挟むことができるでしょう。
焦らずに頑張りましょう。
乾燥小豆
固形物の次に乾燥小豆を選んだ理由は下記の通りです。
- 乾燥小豆は十分に小さいことから、箸の幅を固定して維持するために筋肉を要する。
- 乾燥小豆は表面がツルツルしているため、的確な幅、的確な位置をつままなくてはならない
固形物から難易度が上がりますが、練習さえすればうまくなります。
乾燥小豆の皿移し
ある時間内に、小皿Aに入った乾燥小豆を小皿Bに移すことを繰り返します。
また、この訓練で重要なのは時間を計ることです。
時間に制限があることで、効率よく集中して取り組む必要があるため、選んだ理由1. が特に鍛えられます。
要は、これまで特に意識していなかった筋肉を稼働させます。
筋肉痛にはならないと思いますが、このような筋肉の使い方もあるのだと身体に染み込ませます。
豆腐/麺類
外国人がうまく麺類を箸で食べれないのは、前段の固形物や乾燥小豆を箸で挟むことがうまくないからです。 跳び箱の5段が飛べないのに、6段が飛べるわけがありません。つまり、完全に箸で食べるようになるには、一段一段クリアしていかなければなりません。この道に近道など存在しません。
豆腐 / 麺類を箸でうまく食べるコツは、点ではなく面で挟むことにあります。 これまで、固形物や乾燥小豆は対象物を点で掴んできたわけですが、豆腐と麺は、面で掴みます。
冷奴を食べることをイメージしてください。 乾燥小豆と異なる点として、対象物の直径が何倍も長いです。これを掴まなければならないわけですが、乾燥小豆と同じように掴んでしまうと、箸が豆腐に刺さってしまい、豆腐が崩れてしまいます。
これを回避するために、箸を平行に、均等な力で持ち上げます。 乾燥小豆の皿移しで得た筋肉による、箸の使い方がここで活かされます。
あとは、箸で挟む力の強弱の問題です。
冷奴はもちろん、ソフトに掴みますが、これが麺類になると、グルテンにより、ツルツルした質感になります。 力を入れても麺が逃げてしまう / 切れてしまいますし、力を入れなくても箸から滑り落ちてしまいます。 適度な力が必要になってきます。
豆腐で
- 点ではなく麺で挟む
- 力の強弱
のコツをつかみ、麺類はさらに対象物の質感が変わるので、さらに上級といったところでしょうか。
麺類については、いきなりラーメン屋で実践すると、確実に麺が伸びてしまうので、冷凍うどんなどを買ってきて、家で練習することをおすすめします。
魚
最後は魚です。
魚を食べる上で、これまでと決定的に異なる箸の使い方をします。 それは、箸を挟むだけではなく、広げて使うことです。
これまでの食べ物は挟むだけで食べることができましたが、 魚の場合は、
- 皮やヒレなどを剥ぐ、破る、取る
- 身をほぐす
- 片方の箸の先についた骨をもう片方の箸で取る。
といったように、箸の特殊な操作により、うまく食べていくことになります。
特に、皮やヒレなどを剥ぐ、破る、取る動作は魚独特です。
弾力のある皮は、箸の挟む力だけでは、うまく破ることができません。
そのため、まず箸を閉じた状態で皮を破り、そこから広げる運動で、皮やヒレなどを取り除いて食べて行きます。
最難関といえど、これまで習得してきた挟む動きさえマスターしていれば、この広げる動作は、なんてことありません。
「あ、こういう使い方もあるんだ」ということさえ、認識していれば、スムーズに食べることができます。*1
まとめ
以上が、20歳を過ぎてから箸の持ち方を直そうと決めた人たちのための矯正方法です。 最初は食べにくいです。ツラいです。
しかし、箸の持ち方は習得は先天的なものではなく、後天的なものです。 つまり、習得、矯正は何歳からでも誰でも可能です。
基本的な原理を学んだあとは、5つの食べ物を通して、箸の使い方を学ぶだけです。たった5つの使い方を学ぶだけで、ほぼ全ての食べ物を箸で食べることができます。
*1:ただし、魚自体の食べ方(マナー)は別で覚える必要があります