概要
技術評論社から発刊されているSoftware Designの2017年10月号に「サーバーレスで実現!素材集サービスを効率化した自動画像管理システムに学ぶ」というタイトルで寄稿しました!
この記事では、記事執筆にあたり、テーマ選定、記事執筆の全体的な流れ、使ったツールなどをまとめます。
gihyo.jp
テーマ選定: 想定読者に何を伝えるのか?
最初に意識したことは、想定読者を意識して、何をどのように伝えるべきかを強烈に考えさせられるということです。
- 想定読者は初心者~上級者のどの層か
- 読者は記事を読んだあとに何を得るのか
- 記事を書く上で前提は何か
- なぜこの記事を書き、何を伝えるのか
などなどです。上記の中でも個人的に、読者は記事を読んだあとに何を得るのかが、最も重要なのだと思います。
ここがしっかり固まっていると、記事執筆中に内容がブレることなくなると思います。記事の大枠などを考える前に、まずはここを抑えると良いと思います。
また、内容については、今回は依頼されたページ数は10ページでした。文字数にすると15,000文字にもなるので、少ししか触ったことがない技術について書くと中身が薄くなってしまう可能性があります。 そのため、寄稿する際は、実際に自分が経験し、ハマって、深く理解した内容でなければ、何も伝わらない記事になってしまうと思いました。
執筆の手順
読者に何を伝えるかが決まった後の執筆の手順は下記の通りです。
- 編集の方にコンタクト/アポを取る*1
- 自分に何が書けるかを伝える。ここで想定読者と題材を伝えるとGood
- 編集の方との記事の方向性の検討
- 原稿執筆
- 脱稿*2
- ゲラ*3受け取りと修正依頼
- 二校、三校....*4
- 校了*5
- 見本受け取り
- 出版
先述の想定読者と伝えることが決まって入れば、1~2はスムーズに進みます。
この手順の中で最も力がいる作業は3~5です。原稿執筆と最初の修正依頼です。
ブログと同じ感覚やろ(ハナホジー)って感じでやってたら夏休みの宿題状態になりました。
もともとブログで文章を書く方だったのと、記事の大枠(h1, h2レベル)は決まっていたので気楽に構えていたのですが、細かな文言や言葉の意味を調べたりしなければならないのは辛い作業でした。
なかでも、記事の導入部分の枕詞に何日も費やしました。記事の"はじめに"の部分は、読み手がこの先の記事を読みたくなる内容にしなければならないと感じたのと、これまでそのような文を書いたことがなかったので、そもそも書き方がわかりませんでした。
色々な本を参考にしてなんとか書けましたが、個人的には一番大変でした。
また、最初の修正は、原稿の文が悪ければ悪いほど、指摘が多くなります。
30項目くらい指摘があって、死にそうになりました。さらに、修正依頼を受けてから返信するまでの期間が結構短いです。数日というレベルだったりします。
本業の傍ら、記事を書いていると体力的しんどくなってきます。
ただ、ここを乗り切ると修正も軽微なものになってきますし、PDFの見た目もだんだん雑誌の記事らしくなってくるので、達成感も出てきます。
執筆に使ったツール類
Google Document
エンジニアの方はgithubで書かれているような印象(?)ですが、普通にGoogle Documentを使いました。 理由は下記の通りです。
- 編集者とデザイナーの方はgithubが使えない可能性が高い
- 修正が容易
- コメントでやりとりできる
なんなら提案モードで直接修正してもらう
commitしてpushする手間もないし、個人的にはGoogle Documentで必要十分かと思います。
文自体はMarkdownで書きました。h1, h2, h3(#とか)とコード記述の方法(```で囲う)を最初に「こう書きます〜」っと定義しておけば、それを見て良い感じに(!)やっていただけます。
また、記事中に差し込む画像や図も、自分で凝った図を書くというよりは、ざっくり書いた図を基に「こうしてほしいです」とコメントをすれば、それを見て対応していただけたりします。餅は餅屋にですね!
Microsoft Word
Google Document使ってるのになんでワード!?ってなるかもしれませんが、Wordは文章の校閲に使います。
Wordの校閲機能は結構優秀で、ですます/である調の修正、助詞の欠落、常用漢字の使用などを注意してくれます。
これらは、編集者の方と打ち合わせした際に、結構細かく指定されます。
また、自分はこういう作業が得意ではないので、機械的にやりました。*6
文章校閲の機能は書きの通り設定します。
メニューバー > Word > 環境設定 > 文章校正 > 文章校正 設定...
設定ボタンを押すと、文法とスタイルの規則の設定 + 必要条件で、機械的にチェックすることが可能です。 プログラムと同様にtextlintを行うって感じですね。
まとめ
今回の記事では、原稿を書くまでのテーマ作りの話、校了までの大きな流れ、使ったツールの紹介でした。
校正などは、技術評論社の方に対応していただいたので、ツールに関しては最低限のもので済みました。*7
参考になれば幸いです。
自分の人生の目標の一つとして、単著で書籍を出版することがあります。
今回は雑誌でしたが、自分の寄稿した記事が掲載されるのは貴重な体験でした。
また、15,000文字書く大変さと、そこから推論できる書籍の原稿を書く場合の大変さもわかり、今後、一層精進する必要があると思いました。
また機会があれば積極的に書いていきたいと思います!