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株式会社リブセンスでエンジニアをやっている星直史のブログです。

家庭をスムーズに運営をするための流れとサービスやツールの導入

概要

2020年12月から結婚生活がスタートしました。*1
独身生活においても、QOLを高めるために情報と金の管理はきっちりやってきた自負があります。
しかし、結婚生活となると、家族と連携しながら家庭を運営をしなければなりません。 自分の場合は、情報と金を整理整頓、最適化するのが好きなので、それを家庭にも持ち込んでみました。 現在は導入直後ではあるが、シームレスな情報共有ができていると感じているので、今回は、家庭をスムーズに運営をするための流れとサービスとツールの導入について紹介します。

手順

籍を入れる前後から、将来について話すことが多くなりました。 話を深めていく中で大枠として決まったことは以下の2点です。

  1. 子供2人を育て上げる
  2. 都内の利便性が高い土地に住む

細かい点は数多くありますが、人生の三大支出のうち2つが(たまたま)決まったのは良かったです。*2
(人生の三大支出の最後1つ、老後については「定年時のことはわからないが、定年時のポジション取りに困らないように貯蓄する」くらいにしか考えていないので、ここでの言及は割愛します) 結婚初期に人生の三大支出に対する考えを話し合っておくのは、今後の意思決定の拠り所になりやすくなるのではないかと思います。

この2つを前提に行ったことは以下の通りです。

【カネの整理と最適化】

  • 金融資産の公開
  • 銀行口座の整理
  • クレジットカードの整理
  • お金の流れの説明
  • マネーフォワード
  • 支出の最適化
  • 節税対策

【情報の整理と最適化】

  • Googlegloops
  • 1Password
  • Trello
  • LINE
  • Googleカレンダー

【定期振り返り】

  • 月次振り返り
  • 相手を知るためのコミュニケーション

それぞれ説明していきます。

カネの整理と最適化

整理をするために重要なことは、以下を明確化することです。

  1. 目標到達点
  2. 現時点の保有資産
  3. 目標を達成するために必要な毎月の積上金額
  4. 実際に積み立てられる金額
  5. 3と4の差額

人生の三大支出の内、教育と住宅について具体的に決まっているため、「1. 目標到達点」はすぐに把握できました。 子供が何歳の時に、いくら費用がかかるか。何年後に、どこに、どれくらいの広さで、坪単価いくらの住宅を購入するか。などです。 これが大まかに決まると、将来どの時点でいくら必要かが大まかに把握できます。

次は「2. 現時点の保有資産を把握」についてです。

金融資産の公開

星家では金融資産の情報を共有しました。 具体的には、マネーフォワードのアカウントごと共有しました。 これを行うことで、以下が把握できます。

  • 現在の金融資産総額(現金、株、年金など)
  • 毎月の収入
  • 毎月の支出
  • ローン残債

目標到達点と現時点の保有資産がわかると「3. 目標を達成するために必要な毎月の積上金額」が把握できます。 しかし、必要な積立額が判明しても、実際に積み立てられる金額はわかりません。 ここからは、「4. 実際に積み立てられる金額」を把握することの詳細です。

銀行口座の整理

銀行口座は大きく以下のように分かれていると管理しやすいです。

  • 収入/支出用口座
  • 貯蓄口座
  • 個人口座(管理対象としないお小遣い用口座)

こちらの銀行口座の使い方は後述のお金の流れの中で説明します。

クレジットカードの整理

クレジットカードも銀行口座と同様に、管理しやすさに重きを置いて以下の2枚を用意します。

  • 共通支出用カード
  • 個人カード

上記は最低限必要な2枚です。ただ、使い方によっては3枚目を用意しても良いでしょう。 例えば、Amazonをよく利用するのであれば、AmazonのカードをAmazon限定使用という条件で持つといった感じです。 ただし、カードを多く持つとポイントが分散してしまうためあまりオススメしません。 最低2枚、最高3枚とした方が良いです。

こちらのクレジットカードの使い方は後述のお金の流れの中で説明します。

お金の流れの中

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図で表すとこのような流れです。

  1. 収入を収入支出口座に入金
  2. 収入から支出を引いた金額を貯蓄口座に入金
  3. 取り決めたお小遣いを個人口座に入金
  4. 収入支出口座から共通カードの支出
  5. 個人口座から個人カードの支出

毎月の支出が把握できている前提ですが、基本的に収入支出口座に入っている残高は0円になるように運用していきます。 収入が入ると同時に貯蓄口座に振込むため、確実に貯蓄を積み上げていくことができます。 また、流石に窮屈すぎるので遊びを持たせるために個人口座(管理対象としないお小遣い用口座)を用意します。お小遣いの金額の決め方は後述します。

マネーフォワード

管理対象となる2つの口座、2つのカードはマネーフォワードで管理をします。 マネーフォワードを使うことにより、月次推移を観測することや、何にどれだけ支払ったのかが可視化でききます。これを基に支出を最適化していきます。

また、支出をトラッキングするために、基本的にはカードで支払います。 現金支払いにするとカードのポイントが付かないデメリットもありますが、支出を管理できなくなる(つまり使途不明金が増える)のが最大のデメリットがあります。

計測できないものは管理できないので、支払いはクレジットカード払いに統一するのが良いです。

支出の最適化

マネーフォワードで支出の可視化ができました。支出の可視化ができると、最適化ができるはずです。 星家では以下を行いました。

  • 定期課金サービスの一本化
  • 無駄遣いのチェック

無駄遣いのチェックを行うと、抑止力と緊張感が生まれます。そのため何かを購入する際には、ほぼ「これ買っていい?」という会話が生まれます。
人間誰しも無駄だとわかって無駄遣いをしてしまうことがあると思いますが、その局面で家族との会話を以って、理性的な考えに立ち戻ることができます。

また、先述のお小遣いの金額についてです。 星家ではお小遣いは余剰金を均等に分け合っています。この余剰金は収入 - 支出 - 必要な貯蓄がプラスになった場合に発生する金額であり、それをお小遣いにしています。

しばしば、「お小遣い制で可哀想...。」という意見を聞きますが、徹底した家計管理を行うと行き着く先はお小遣い制になるのではないかと思っています。
ただ、お小遣いを分配する際の割合は話し合った方が良さそうです。 星家では民法に則り、全て共有の財産としているのですが、家庭によっては収入の割合によってお小遣いを決めたりすると思います。 ここで重要なのは、お互いの納得感だと思うので、しっかり合意形成した方が良いでしょう。

節税対策

サラリーマンのできる節税はいくつかあります。

  • iDeCo
  • NISA
  • ふるさと納税
  • セルフメディケーション税制
  • 住宅ローン控除

中でも、iDeCoとNISAは毎月積立型であるため、必要であれば最初に設定しておくと良いでしょう。 その他の節税については、パートナーのファイナンシャルリテラシーによって、手伝うことも重要です。 また、星家の場合は会社の持ち株会にも加入しているため、毎月持ち株を購入していることの共有もしました。 iDeCo、NISA、持ち株を考慮したお金の流れは最終的に以下のようになります。

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ここまで行うと、毎月の収入と最適化された毎月の支出が把握できるため、「4. 実際に積み立てられる金額」が把握できます。 また、最終的に知りたい、目標を達成するために必要な毎月の積上金額(A)と、実際に積み立てられる金額(B)の差額が把握できます。

A >= Bの場合、目標の下方修正もしくは、貯蓄額を増やす努力が必要であることが判明するので、次の行動につながります。
A < Bの場合、目標の上方修正の可能性を検討できます。

この行いを言い換えると、ライフプランと実行計画の策定と言えるでしょう。
また、この行いのなかで、家庭内でお金に対する共通認識を持つことが重要だと考えています。

情報の整理と最適化

お金に関する整理ができたので、次は情報に関する整理と最適化します。 情報が散らばっていると、どこに何があるのか把握できなくなるので*3、整理をします。

GoogleGloops

結婚生活を始めると、個人のメールを転送したい場合がよくあります。
わかりやすい例を挙げると、ECサイトでの購入情報や、共通アカウントのログイン用のメールアドレスなどです。 これを解決するのがGoogleGloopsです。これを使うと、メーリングリストを使うことができるため、個人メールアドレスはそのままの状態で、共有に必要な情報をメーリスで登録し転送設定を行い解決しました。

1Password

星家では多くのことを共有しています。

  • 共通アカウントの認証情報
  • クレジットカード
  • 緊急連絡先

これらの情報を頭に記憶しておくことは不可能であることや、記憶しようとすると堅牢性を低下させなければならないため、1Passwordのファミリープランを導入しました。 ファミリープランは、個人の保管庫と共有用の保管庫の共存が可能なので、これまで個人契約だった人でもスムーズに移行が可能です。

Trello

言わずと知れたToDoリストですね。 基本的にはToDo, Doing, Doneのリストを作ります。 また、誰が主体的に動くかを決めるラベルも用意しておきます。 夫用ラベル、妻用ラベルといった感じです。

星家で一番有用ToDoは「買い物リスト」です。 これのおかげで、買い忘れが極めて少なくなりました。

Googleカレンダー

家族の予定の把握にGoogleカレンダーを使用しています。
相手の予定が把握できると、自分もそれに合わせて予定を組み立てることができるので重宝しています。

定期振り返り

最後に定期的に行っていることを紹介します。

お金の振り返り

先述の通り、星家は教育と住宅について目標を定めており、毎月必要な貯蓄金額を具体的に決めています。
そのため、貯蓄金額が常に上回っているか、一時的に下回っていたとして、余裕はどれくらいあるかをモニタリングをする必要があります。 また、支出の妥当性を見極めるために、毎月の支出を一つずつチェックしています。

これらの確認のために必要なのは、マネーフォワードの有料課金をする必要があります。 有料課金をすると、月次レポートや、これまでの推移を容易に把握できるので、月次振り返りが捗ります。 また、お金の振り返りをすることで、問題のある消費行動について話す場を設定することができます。 システム化されていることにより、言いにくいことのクッションになっているように感じます。

相手を知るためのコミュニケーション

結婚をする前に「結婚生活を成功させる方法論があるのではないか?」と考えました。 そのときに出会った本はこちらです。

こちらの書籍の感想はこちらの記事でまとめているので、そちらに譲りますが、 端的にいうと、「相手のことを深く理解する重要性」について説かれています。 また、読後の感想として、「結婚相手のことをあまりにも知らなすぎる」と自分が恥ずかしくなりました。
夫婦でこの本を読んだのですが、妻も同様の感想を抱いたので、毎月相手を理解するためのドリル(本についている)を試しています。 毎月少しずつお互いの理解を深めています。

まとめ

ポイントは、目標の決定、現在の状況の把握、共有、可視化であると思います。
字面だけ見ると窮屈そうな印象を受けますが、システマチック(行動のルールが明確)になっている分、運用が非常に楽です。 また、導入プロセスのなかでお互い重要だと考えていることやルールなど、共通認識を持てたことは非常によかったです。

*1:2020年8月に籍を入れたが同居は12月からスタート

*2:もっと具体的に決めていますが本筋からそれるので割愛

*3:個人的にかなり不快な状態