11月21,22,23日に開催されたStartup Weekend Tokyoに参加してきました。
参加しての感想と巻き起こったことなど書こうと思います。
今回は2日目について書きます。 1日目の記事はこちら 3日目の記事はこちら
2日目にやること & やったこと
2日目にイベント的に決まって行うことは下記の通りです。
- 14時からのコーチング
コーチング以外に「何時○○をやってください! !」とか言われることはありません。
むしろ、コーチングも拒否すれば受けなくてもよいです。※ただし、めっちゃ勉強になることを言われるはずなので、絶対コーチングは受けた方が良いです。
リーンスタートアップの実践イベントなので、顧客開発をした方が良いですよーとか、ある程度、行動はオススメされます。
ただ、オススメされた内容を行うか選択するのはチームの自由です。
チームでやったことは下記の通りです。 - 各種ツールの導入 - アイデアの共有 - 今日1日の行動決定 - 顧客開発 - 実装
チーム構成
- Hustler:3人
- Hacker:2人(自分とY氏)
午前中
2日目開始の15分前に会場入りをしたんですが、既にチームメンバーのY氏が来ていました。(後に最重要人物になるのでY氏だけはここで紹介します)
このY氏は凄く頭の良い方でした。15分間で私に色々質問してきました。優勝をしたいのか、リーンスタートアップ通りに動いて学びを得たいのか、実装に専念したいのか、他のメンバーにどう動いてもらうかなど。
結果優勝は捨てるし、リーンスタートアップもガン無視して、実装に専念しようという話になりました。
※だったらハッカソンに行けって感じですが、そもそも、自分のチームのプロダクトは実装ができてないと価値を理解してもらえないだろうと考えたので、実装に専念することになりました。
※リーンスタートアップ的に言うと、MVPがこのイベント内に終わるかどうか?ってレベルだったので、MVP実装に全ての時間を使うことにしました。
導入したツール
- チャットワーク
- Trello
顧客開発はフィールドワーク(街頭インタビュー)を伴うので、コミュニケーションツールが必要だと思いチャットワークを導入しました。
ただ、チャットワークはHackerには使いやすいツールだと理解されたようですが、Hustlerにとっては使いにくいツールのだったようです。
「ぶっちゃけLINEでよくね?」みたいな感じです。
なので、ツールは使い分けた方が良いかもしれません。
ファイル送信は必ず伴うと思うので、HackerとDesignerにはチャットワークを。
Hustlerには好きなものを。強制さると、使おうとしない && 使い方を理解してくれようとしない && 使い方を説明しなければならないので、好きなツールを使わせるのが良いと思います。
アイデアの共有
自分がピッチした本人だったので、まずは何を思い描いているのかをチームに共有しました。
自分がやりたかったことは3D試着サービスだったのですが、共有したところで、チームメンバーに価値をわかってもらえることはありませんでしたorz
さらには、「優勝は捨てるし、リーンスタートアップもガン無視して、実装に専念しよう」ということはY氏との間で内密にしてたので、
実際に作ろうとしていたものとは違う路線になってしまいそうになりました。
※ピッチに落選した人達の寄せ集めですから、考えが合うことはあまりないでしょうね。。
※チームによっては、ピッチに落ちた人のアイデアが所々に散りばめられていたりしていました。
自分のチームも路線が変わりそうになったのですが、Y氏が巧みな話術を使い、
実装は全て私に任せて、Y氏含む全てのメンバーはフィールドワークに行くように話をまとめてくれました。
朝の15分間の話し合いで私が「自分だったら、残り2日で実装できるはず!!!!!」と豪語した故、Y氏自身は自分は邪魔をしないように・・・と考えていたような感じでした。
このチームでの方針決定に10分くらいしか使わなかったので、全チームで最も早く開発に着手できたと思います
他のチームはだいぶ話合いに時間をかけていたようです。
顧客開発
自分以外の4名が会場のオフィスを出て、新宿 ~ 原宿 ~ 秋葉原(?)まで行って、実際に自分達が考えるプロダクトを使ってみたいか?価値があると思うか?などなど、街の人に話を聞きに行きました。
質問の内容など、行動などについては、顧客開発チームに全て任せたので、詳細はあまりわからずですが・・・。
個人的にはRunning Leanに書いてある内容を使えば良いのではないかと思います。リーンスタートアップを体系的に書いている実践書ですし、質問テンプレートなどもあるのでオススメです。
実装
最新の技術を駆使して、プロダクトを完成させるために実装していました。
最新の技術なので、技術を扱うための参考文献などは英語が多く、日本語の情報があまりありませんでした。
そして自分は英語がほぼ読めないので、調べて、調べて、調べて、けどうまくいかなくて・・・調べて調べて・・・
の繰り返しでした。
午前中はずっと、そんな感じで進捗は0。実現の仕方がわからないといった状況でした。
午後になる頃には、「あれ、これ実装できないじゃないか?」と思い始めてきました。
もちろん、実装者+リーダーである自分が「ごめん、できないわ」なんて言ったら最後、他の4人のイベントも終わりを告げてしまいそうな気がしたので、
大きなプレッシャーを感じながら、作業をしていたわけですが、これが実際に会社を経営していたとしたらストレスで気が狂ってしまのではないかと思いました。
午後(12~14時)
顧客開発チームはフィールドワーク。
自分はひたすら実装。
実装といっても、調べて、調べて、調べて、けどうまくいかなくて・・・調べて調べて・・・の繰り返し。
そして進捗なし。
4時間も同一の問題でハマっていたら感覚でわかるんですが、心の中では「こりゃ無理だ。」って感じでした。でも頼る人もいないので、やるしかないんです。
ランチの時間も、ご飯が喉を通らずに、ポテト3切れくらいしか食べれませんでした。
そして、14時からのコーチングの時間を迎えるわけですが、
顧客開発チームからは1名だけオフィスに帰ってきて、2人でコーチングを受けることになりした。
コーチング10分前くらいに、1人だけ帰ってきて顧客開発のフィードバックを受けたのですが、
9割の人が使いたいと思わない、そもそも理解できない、プロダクトを使うような行動を取らないといった回答でした。
もうね。意気消沈。
でも、「自分達のチームは実際に見えるものがないと伝わらないし!」と、自分に言い聞かせ続けて実装をしていました。
内心、技術的に無理だと思いながら。。。
コーチングについて
コーチングは、4人のコーチ陣からくじ引きで2人選べるといった感じです。
コーチングの時は、ざっくりとプロダクトの概要と、顧客開発結果と実装の状況を説明したんですが、
- そのプロダクトが何かの問題を解決するほど有用なものではない。
- そのプロダクトが存在しても、誰にも使われないし、使うメリットがない。
- 仮に使われたとしても、リピーターは付かないだろう。
- マネタイズム難しいのではないかと思う。
口調は穏やかでしたが、「こんなクソプロダクト、誰も使わないよ。」って言われているような感じでした。
メンバーからも「自分だったら使わない」と言われましたし、予想はできてました。
意気消沈どころの騒ぎではないですよね。自分の最高のアイデアを披露するも、こんな評価を目の当たりにすると、HP、MPともに0状態。
それと同時に、なぜ自分はもっと使う相手のことを考えなかったのだろうとか、マネタイズについて考えられなかったのだろうかと反省しました。
午後(15~18時)
コーチング後、顧客開発メンバーとの話合い、ピボットではなく、他のプロダクトを作るか?といったような話をしました。
イベント開始前は、最高のアイデアだと思っていたものが、ものの数時間で「あきらめよう」といった考えになっていた自分が悔しかったです。
幸い、顧客開発チームが帰ってくるのが16時だったので、それまではなんとか実装がうまくいく方法がないか探ろうとしました。
調べて、調べて、調べて、けどうまくいかなくて・・・調べて調べて・・・ そして、とある英語で書かれたサイトに訪れましたが、目にしたのは
This format doesn't support.
\(^o^)/オワタ
全てが終わったと思った瞬間でした。顧客開発結果、ニーズないし。そもそも実装もできないし。 顧客開発チームが来るまで、抜け殻状態でした。 やがてチーム全員が帰ってきたので、メンバーに「技術的に無理なことがわかりました」と告げました。
チーム全員絶句。 オレ達何してきたんだろ感。できるって言ってたお前はなんだよ感。 言葉に出さなくても雰囲気でわかりました。
そして、今後の方針を考えるわけですが、自分の気持ちとしては、このイベント中に実装は99%無理だと思うが、調査は進めていきたい。もちろん、最終プレゼンはしないつもりでした。
それに対して他のメンバーは、違う内容で再スタートしようといった感じでした。
自分は、自分の意志に反することができない人間なのに加え、何か言える立場ではないので、黙っているだけでした。
そして、話し合いの結果メンバーから「解散しましょう」と提案があったので、全員合意。
メンバーのうちHustlerの3人は違う方向で1からスタートすることになり、
Y氏はどこか別のチームへ。
自分は一人ハッカソン状態に。
会社経営でいうと、倒産ですね。
午後(18~22時)
一人ハッカソンになったんで、気ままに調査。
19時過ぎにトイレ休憩する途中、まだチームが決まらないY氏と廊下でばったり会って、世間話とかこの後どうするかって話しをしたんですが
世間話でY氏自身の素性を聞くと、Y氏は法務もできるし、プログラムもできるし、TOEICも満点、英語で会話もできるハイスペックの方でした。なんかすんませんでした。。。
そして今後どうするかについては、Y氏の状況は、移籍できそうなチームもないし、どうしようかなといった状態。星さんの他に良いアイデアがないか?って話しになりました。
自分が持っている別のアイデアを10個くらい話すも、あまり共感を得られず・・・。
そして一人ハッカソンに戻ろうかと思ったときY氏から「結局自分が一番やりたいのはどれですか?」と聞かれたんですが、
やっぱり、今回のイベントは、自分の考えたことを実現するために来たので、出来る出来ないではなくて、自分のやりたいことを最後までやりきりたいという意を伝えると、
Y氏も「好きなことやりましょうよ!!」と背中を後押ししてくれました。
そして、今自分が遭遇している状況と、英語が読めないことを話すとY氏は「一緒にやりましょう、英語は自分が読みます」ということになり、 20時になって、チーム再結成になりました。
そこからは2人で調べて、調べて、調べて、けどうまくいかなくて・・・調べて調べて・・・の繰り返し。
しらみつぶしに動く可能性があるコードを試してみるも、ダメ。
というか、参考文献で”This format doesn't support.”って言われてるし、
公式Documentの説明も”ToDo”としか書いておらず、手探りで一つずつ試すしかない状況。
本当にしんどかったです。
Y氏が加入したあとも進捗0。 2人ともギブアップ状態で、3日目に繰り越そうってことになりました。
自分はイベント中、眠る気はなかったので、他のチームについて行って、デニーズで朝まで作業をすることにしました。
午後(22時~)
22時からは英語の公式Documentを一から読むことにしました。
説明は”ToDo”としか書いていないものの、メソッド名は書いてあるので、メソッド名から処理を推測して、実際に動作確認することにしました。
※後から考えると、メソッド名から推測するより、モジュールのコードの中身を直接見る手があったなと思っています。
1時間くらいトライ&エラーを繰り返したところ、やっとサンプルが動くコードを見つけることができました。
これを使えば、もしかしたら、自分で作った3Dデータがもしかしたら動くかも?という光が見えたので、開発環境が整っている自宅に戻ることにしました。
自宅に帰ってからは、サンプルのコードを一部分を書き換えれば3D表示できることがわかったので、 Y氏にチャットワークで最終プレゼンをする意を伝えて、あとはプレゼンのデモに向けて、サイトのデザインを整えることにしました。
一通り実装が終わったところで、朝7時。
シャワーだけ浴びて、また会場に向かうことにしました。
その他感想。
- イベントを楽しむのであれば、他のメンバーの意見を取り込んで、リーンスタートアップに沿って行動するのが良いのかなと思いました。
- コーチングは絶対に受けたほうが良いです。有益なアドバイスが無料で受けられることでしょう。
- 自分のアイデアは最高だと考えていても、実際は他人には理解されないですし、そもそもニーズがない可能性が高いと思いました。=> フィールドワークに出て、顧客開発するのは本当に重要そうです。
- ピボットは簡単にするものではないと思いました。他人に意見されてもコアな部分は変えないという意思の強さは必要だと思いました。ピボットは軸足はそのままですし、ピボットするにも、明確な理由がない限りするべきではないと思いました。
- 自分は、他の人の意見を聞いても、納得しないとその意見を取り入れないのだと思いました。そして、意見をなかなか納得しようとしない癖があるようです。
- 会社経営をしていた場合、メンバー選びは本当に重要だと思いました。特にスタートアップ直後は、実際にコードを書けるメンバー or 論理的に会話ができるメンバーではないとかなりキツそう。さらに、そのメンバーと自分の相性が合っていないと苦痛な感を過ごすことになりそう。
- 自分がファウンダーだとしたら、共同創業者や、2番目は自分の意見を尊重してくれる人を探すのが大切。もちろん、意見を言わないという意味ではなくて、最終的には「あなたが好きだと思う方向にしましょう」という、Y氏的な考えと動きができる人が重要人物になると思う。
- チーム解散(会社経営でいう倒産)する瞬間を味わえたのは、今考えるとラッキーだと思いました。あの冷たい空気感は人生で初めてでしたし、今後も味わえないと思います(味わいたくないですが)
- チームがなくなっても、最悪の状況になっても、自分があきらめない限り、チャンスは来るものだと思いました。粘り強く続けてよかったです。
- 会社経営をするとしても、自分はCEOって感じではないなと思いました。やっぱりエンジニアリングが好きです。