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ピクスタ株式会社で開発部の部長をやっている星直史のブログです。

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法を読んだ感想や疑問

概要

会社では目標管理の方法としてMBO*1を使っています。目標管理の手法はMBOの他にもOKRというものが存在することを知ったので、概要を掴むためにOKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法を読みました。
今回はOKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法を読んだ感想や疑問を書いていきます。

OKRとは可能な限り最高の結果を到達する手助けになる

OKRは1つの目標(Objective)とその目標を測定する主な結果(Key Results)3つを設定します。

目標(Objective)は1つの文である

目標(Objective)は次の要件を満たす1つの文です。

  • 定性的で人を鼓舞する内容である
  • 時間的な縛りを作る
  • 各チームが独立的に実行できるようにする

「売上を20%アップ」といったように定量的な目標は避けます。それはKRで設定すべき項目であり、士気を挙げるような内容ではないためです。 ミッションステートメントと似ていますが、期間は3ヶ月と短く設定します。 そして、他者(他チーム)と関わりがなくても独立して達成できる内容にします。

以上の3つが目標(Objective)のポイントです。

KR(Key Results)は目標(Objective)は「何を達成すれば目標を満たしたとわかるか」に答える

KR(Key Results)は目標(Objevtive)と異なり、感覚的な言葉を定量化し、何を達成すれば目標を満たしたとわかるか計測可能な状態にするための結果を設定します。 例えば、対象は下記のようなものが挙げられます。

  • 成長率
  • エンゲージメント
  • 売上
  • 性能
  • 品質

「応答速度を1,000ms未満にする」といったように、定量化と計測可能な結果を設定します。

以上がKR(Key Results)設定のポイントです。

本の構成

本の構成は1部と2部に分かれています。

  • 1部: 物語形式でシリコンバレーのスタットアップを舞台に、OKR導入の難しさと有用性が書かれています。
  • 2部: OKRの詳細や運用のコツが書かれてします。

感想

まず、OKRは軽量なフレームワークだと感じました。
O / KRそれぞれの決まりごとは第2部で触れているのですが、難しい内容は特にありません。

しかし、導入する組織によってミッション、ビジョン、サービスや組織で働く仲間の特性など異なるため、第2部で仕組みを理解しただけでは導入と運用は難しいと考えました。
また、第2部では、先述の理由がある(であろう)ため、導入や運用の具体的な方法までは示されていませんでした。
その他、ミッションを理解していることを前提にしなければ目標設定そのものができないことや、OKRの仕組みや有効性を理解していなければ導入がうまくいかないでしょう。 規模が大きな企業においては全社的に一気に導入するのではなく、特定の独立したチームに対して導入し、半年~1年(数サイクル)運用したあとに横展開するのが定石だと考えました。

疑問

OKRは人事評価にも使えるのか

管理職のなすべきことの1つとして、メンバーの評価があります。
OKRを用いることで、会社、部署(チーム)、個人の目標設定が可能になります。 しかし、目標と評価を連動させてしまうとあるべき姿を達成するための目標ではなく達成状態にするための目標になってしまいます。 最高到達点を目指すストレッチした目標を設定するOKRの思想と反する思考になりやすくなるためです。
もちろん、これは主要な結果を達成できたかどうかを機械的に評価した場合に限ります。 そもそもKRは、達成困難だが不可能ではない内容とするため、到達度合いや次に繋がるプロセスや学びを得ているかといった項目を考慮する必要があると感じました。

既にMBOが導入されている組織にOKRを導入する必要はあるか

MBOが十分に機能している場合は、それで十分です。しかし、MBOがうまく機能していない場合は並行してOKRを導入運用していく必要があります。
全社で同時に目標管理方法を一新する場合を除いて、混乱が生じやすくなります。 局所的に導入したとしても、懇切丁寧に導入しメンバーが納得する形にしなければ反発が生まれてしまうだろうと考えました。

まとめ

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法を読み、OKRの仕組み、導入運用の方法を理解しました。
また理解していくなかで実際に導入する事を想定し、難易度を高さを感じたことや、問題となるポイントを考えました。 OKRはスクラムと同様に理解は容易ですが、習得(組織に根付く)が困難なものだと学びました。

*1:Management By Objectivesの略